守るべき二つの「安全」

安全にも二つの側面がありますね。

製品としての「安全」と作業者の「安全」です。

製品としての安全は製造物責任法等に基づき、義務が厳格に定められています。
作業者の安全も労働安全衛生法等に基づき、たくさんの規制があります。

改善活動の中でも、これらを保つために日々工夫がなされていますが、
短期間の契約社員などが多い職場ではこの安全に関する引き継ぎが十分できておらず惨事を引き起こす場合が多々あります。

引き継ぎができなくても、マニュアルを作成してそのマニュアル通りに行えば
安全が保たれるはずなのですが、その安全に関する「工夫」は
意味を忘れられ、効率化の名の下に無視される場合があります。

私がいた樹脂メーカーで作業者の労災が発生したことがありました。
責任者が調査した結果、以前の労災と原因を同じくするものでした。
過去の労災発生後に、安全を確保するために工夫が施されたのですが、
その工夫はいつのまにか工程の中から取り除かれていたのです。

風化というのは恐ろしいもので、事故の発生時はその重大性に直面して、
事故を避ける工夫がいかに重大であるか痛いほどわかるものですが、
年数がたつといつのまにかその重大性は過小評価されるようになって
しまいました。

例を挙げればキリがありませんが、効率化の名の下に改善を行う場合でも
「安全の確保」は最優先の課題であると認識しつつ取り組むことが最も大切なことなのです。

京阪神製造業研修.com

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