改善の基本的な考え方

「改善」という単語は今は世界に通用する言葉となりました。
改善には2つの視点が必要です。

VE Value Engineering 「価値」の向上を図る視点と

IE  Industrial Engineering 「作業・工程」の向上を図る視点です。

通常製造業の現場では、安全・生産性向上及びコスト削減・効率化を重視し「改善」に取り組みます。

1つの例を挙げてみましょう。

(問題)製品に小さな繊維がつく。→良品率の低下。
(分析)作業場内の繊維質のものを探し出す。
(改善)作業員の「軍手」を「ゴム手袋」に変える。→良品率が向上。

このように、問題・課題に対して、原因や解決策を考え、より良くしていくことが改善です。

製造業の現場ではVEよりもIEに偏りがちですが、
IEとVEは常に密接にかかわっており、お互いに影響しあいます。

例えばスマートフォンですが、VEの観点からできた製品だと思われますが、
IEの視点では、ガラケーよりも外装の部品点数が少なく大幅な作業工程削減につながりました。
またIEを向上し、良品率を上げる、あるいは作業効率を上げることでコスト削減につながり、結果としてVEにつながっていきます。

注意しなければいけないのは、この考え方はすべての業界に通じるものではないということです。
サービス業などでは、IEが行き過ぎると、VEが大幅に下がることも多々あります。

私はあるブランドジュエリー店で勤務しておりましたが、
そこでは、製品を包装するときに、「封蝋」を行うことがありました。
これは作業効率が悪く、コストもかかるものでした。
そのため、簡易包装としてシールを使用することもありました。
でも顧客には「封蝋」のほうが「シール」よりも高く価値を感じていただけるでしょう。
それはともすればブランドイメージの低下にもつながり、将来的な売上や利益の損失にもつながりかねません。

改善を検討するときはどのようにすれば「最大利益」が得られるかという視点も忘れてはいけないのです。

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